土を知る・植物を育てる

第5章 肥料について

植物が元気に育つには、適切な温度や光、水、空気などのほか栄養分も必要です。栽培植物では栄養分を補うため肥料を施します。しかし、肥料の種類はいろいろあり、誤った使い方をすると逆効果になります。肥料を施す前に、肥料についてもっと良く知っておきたいものです。

■植物も副食やビタミンが欲しい

私たちがコメだけでは健康になれないように、植物も健康維持のために副食やビタミン剤的なものを必要とします。植物体を構成する成分は16あり、そのうち副食にあたるチッ素、リン酸、カリは土中に少ないので、大量に供給してやらねばなりません。ビタミン剤にあたるカルシウム、マグネシウム、その他の成分も多少は供給しないと、立派な植物には育たないのです。

■5つの養分(チッ素・リン酸・カリ・カルシウム・マグネシウム) は、どこでどんな働きをしているのか

チッ素 植物の蛋白質の構成成分で、「葉や根の生長」をつかさどっています。植物にとっていちばん大事な養分で私たちの食事でいえば「肉や魚」に相当します。
リン酸 植物の細胞を作る材料になり、花・実・種の形成や根の伸びを促進します。
カリ 植物体内の生理作用を調整し、根や茎を強くするほか、各部の生長をよくします。私たちの食事でいえば、「野菜や果物」のようなものです。
カルシウム 根の生長と土質の改良に役立ちます。
マグネシウム 葉緑素の構成成分になって光合成を助けます。

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